「拭いて」 「ん」 ティッシュを渡すものの、それを払って胸元に顔を押し付ける。 「だーかーら」 俺のシャツで拭くなって…。 呆れつつ 痩せ細った体に手を回すと、若干の温もりを感じ取った。 体がほんのり温かい。 「…ふぇ…ッ」 「泣くなよ、服が濡れる」 「そ……の…」 「何?」 「そう…の……」 "奏太の…" その先は何度聞いても聞き取れない。 号泣してしまう意味も… わからない。 胸に顔を押し付けて声を押し殺すと、不規則で深い呼吸を続けた。