「ただいま」 そう呟いてリビングの電気をつけると、床に脱ぎ捨てた上着を見つけた。 玄関には靴があったし、帰っていることに間違いはなさそうだ。 唯一電気が付いていたキッチンを覗くが、姿はない。 「…何だよこれ」 流し台の床は、水をこぼしたような状態で放置されていた。 その場にあったタオルで床を拭き、キッチンの電気を消す。 そうして向かうのは残った寝室で、少し開いた扉の隙間からそっと中を覗いた。 …あぁ、いた。