「お手洗い 借りてもいい?」


「どうぞ、場所は分かるよね?」


「大丈夫」



そう言って立ち上がった愛香が、体を揺らしてテーブルに手をついた。



「ごめ…」


「どうしたの?」


「大丈夫、ごめん」



すぐに体勢を立て直してリビングを出ていくが、その足取りはおぼつかない。


何かあってからでは遅いんだ。


早めに病院に行ってほしい…。