「診察室一緒に入るし大丈夫だよ」 朝が来ると、陽の辛そうな表情は強くなっていた。 「…うん」 上着の袖に腕を通し、小さなため息を吐く様子を見ていると、苦笑いが込み上げる。 「手の怪我診てもらうだけだから」 「…うん、そうだね」 結を抱えたり食事を作る機会が多い陽にとって、利き手の怪我は不便だ。 「そろそろ出ようか」 ただ"行きたくない"訳ではなく、その気持ちには"怖い"も含まれているのだと思う。 今はなるべく陽の気持ちを優先したい。