「港くん、今こっちに向かっているそうです」 「本当?」 「はい、今日は帰れるみたいですね」 「連絡してくれてありがとう…」 「いえ。繋がってよかったです」 眉間を寄せて小さく唸った陽さんは、毛布を引き上げた。 「ゆっくりしててください」 水の入ったグラスを受け取り、部屋の電気を消した。 「港くんが来たら伝えに来ますね」 「うん…ありがとう」