「…ほら、おいで」





上半身を起こして落ち着かない様子の陽に声を掛け、左手で体を引き寄せた。


「…また嫌な夢を見たくない」


そう呟く陽は、俺の胸に顔を預けた。





「目が覚めたら起こしていいからな」


腕を回して冷たい体をさすりながら、少し早い呼吸を聞く。








「…おやすみ」


陽の小さな声を聞き取り、ぎゅっと抱き寄せた。


「おやすみ」