それからしばらく2人は楽しそうに会話を弾ませ、久しぶりにいろんな話ができたようだった。
「ぼちぼち帰るね」
「今日はありがとう、季蛍さんにお世話になった」
「いや、こっちも助かった」
「お互いいろいろあるよ」
「はは…、そうだな」
帰宅の準備を終えた蒼が季蛍さんを呼ぶと、すぐに荷物を抱えてこちらへ。
「陽さん、今日はありがとうございました」
「お礼を言うのは私だよ!本当にありがとう」
「また機会があったら今度はうちへ来てください」
「ぜひ!そのときはお礼もさせてね」
「ふふ…、本当にお構いなく」
玄関まで2人を見送り、陽は寂しそうに季蛍さんに手を振った。
会おうと思えば会える距離だが、なかなかそうもいかないのが現実。
時間を割いて会いに来てくれる2人には、感謝しかない。
「楽しかったね」
久しぶりに、陽の口からそんな言葉を聞いた。


