「ごちそうさまでした」
食器の片付けを手伝ってくれた季蛍さんが、小さく頭を下げた。
「食べた?」
「はい、美味しかったです」
「良かった。…陽は?」
「少しずつ食べてるようでした」
季蛍さんの表情から、大体のことは読み取れる。
「あれでも食べた方だよ。やっぱり季蛍さんがいると違うね」
「そうですか?私も陽さんと一緒だといつもよりご飯が美味しいです」
「そう言ってくれると嬉しい」
カップを手に戻ってきた陽は、嬉しそうな表情で季蛍さんを呼ぶ。
「一緒にハーブティー飲まない?」
「いいんですか?」
「もちろん!」
季蛍さんが陽の元へ行くと、様子を見ていた蒼がボソッと呟いた。
「おい、…大丈夫なのか?」
「…あぁ」
遠目から見ていてもわかる陽の尋常ではない汗。
季蛍さんも気にしていると思うが、あえて触れないでいてくれるのだろう。
「心配すると嫌がる」
「俺らを気にしてるんだな…」
何も言わなくても、容易に察してしまう。


