「行ってくるね」 陽の腕に抱かれた結の額に軽くキスを落とし、頭をそっと撫でてやる。 「今日は帰るよ」 「…わかった、待ってる」 陽の髪をそっと撫でて手を離すと、少し不安そうな表情が見えた。 何が起こるかわからない幼い子どもの高熱は、不安になってしまうよな。 「陽も」 呼べば若干顔を上げ、前髪に触れるキスを落とした。 「あとでね」 「うん、いってらっしゃい」