シャワーを浴びてリビングを覗くと、結の眠る部屋の扉にもたれて丸くなっている陽の姿がある。



「陽は?寝ないの?」


「…寝ないの」


「寝ないの、じゃないでしょ」



開き直った陽に苦笑する。



「昨日は眠れなかったのか?」


「…だってあやしてたもん」


「結だって夜中ずっと泣いてたわけじゃないだろ?」


「…。」




自分が眠りにつけない事実をどさくさに紛れて結のせいにするなよ…。




「…ま、その顔色じゃ眠れてないな」


「わからないじゃん!」


「じゃあ眠れた?少しは」


「…も、その話終わり」





立てた膝の隙間に顔を埋め、自ら会話を強制的に終了。



…恐ろしいほどわかりやすい。