「まだ出る?」
「…ッ」
うまく出せないようで、嘔吐きが止まらない。
看護師から受け取った衛生手袋をはめて、小春の口元に手を掛ける。
体力を消耗し切ってしまう前に、できれば吐かせたい。
「や…ッ」
顔を避けて抵抗するが、1番苦しくて辛いのは小春だよね。
楽になりたい気持ちはあるようで、潤んだ目で俺を見てくる。
「1回だけ頑張って」
「…だ」
『やだ』と消えかけた声が聞こえたが、親指で口を開けて指を中へ。
「やら…ッ」
舌の奥を指で軽く押さえてやれば、すぐに吐き出した。
「ッひっく…ッ、ん…ッ」
「小春、もう平気?」
頷いたのを確認して、タオルで口元と手を拭いてやる。
「頑張ったな」
「…るしかった」
「ごめんごめん、嫌だったな」
左手で頭を撫でてやり、看護師と一緒に片付け。
「小春ちゃん、服脱いどこうね」
看護師の声に返す頷きも弱々しい。
吐き出せないと体力を使うよな。


