「涼先生」
「はい…、あ」
振り向くと、奏太先生が隣に腰を掛けた。
「食べる?」
「なに、バームクーヘン?」
「患者さんのご家族の差し入れですって」
「ふぅん、いただきます」
まともに座る時間もなかったから、これでちょっと休憩ができそうだ。
「桃ちゃんの検査、少し覗いたよ」
「あぁ、そうだったんだ」
「見てただけだけどね」
「桃は泣いてなかった?」
「泣きそうだったけど耐えてたよ」
「そうか。入院自体半年ぶりだから不安だろうなと思ってね。ちょっと心配してたけど」
「なんだか大きくなったな、泣きじゃくってた頃が懐かしいよ」
こどもの成長は本当に早い。


