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桃の検査が終わったと聞いて、病室へ行ってみた。


「桃、検査おつかれさま」


コクンと頷く桃は、楓と一緒に本を読んでいた。






「りょうせんせい、楓ちゃんとお散歩してもいい?」


「…ん?」





「桃ちゃん、夜ご飯までお部屋出られないんだよ」


桃の問いにすかさず答えたのは、話を聞いていた小春。




「…そうなんだ」


桃は大人しくて優しい子だから、あまり言い返したりはしないよね。





「ベッドに乗るときもスリッパ脱ぐんだよ!」


「あ…、ごめんなさい…」


「桃ちゃん、きのう来たからわからないんでしょ?」


「おいおい、小春?言い方がキツイよ」


「教えてあげたんだよ!」


「うん、ありがとう。わからないことたくさんあるんだから、知ってる小春が"優しく"教えてあげて?」


「やさしく?」


「そうだよ。優しく」


「わかった」






「桃ちゃん、スリッパ脱いだ方がラクだよ!」



小春が桃のスリッパを脱がせて、床に揃えて並べてくれる。



「ありがとう…」




桃の小さな"ありがとう"



小春に聞こえたかどうかはわからないが、優しくできた小春だってきっと嬉しいはずだよね。