「小春の番?りょうせんせい」
「1回ナースステーションに行ってもいい?」
「やだ!」
「すぐに戻る」
「やだ…」
唇を噛み締めてしまったので、屈んで腕を広げた。
「おいで」
「やった!」
華奢な体を抱き上げ、背中を叩いて数分間。
「よし、先生は戻るよ」
ベッドの上にそっと体を下ろしてやった。
「また来る?」
「あとでな」
「すぐに戻ってくるんでしょ?」
「もう抱っこはしただろ?」
「えぇ、せんせいもう来ないの?」
「あとで」
「…わかったよぅ」
「ご飯、食べるんだぞ」
頷いたのを確認し、頭を撫でて病室を後にした。