「奏太先生」
「…あ、大丈夫?」
「うん」
血圧が極端に低かった為、足を上げて寝かせていた。
力が抜けて崩れたのは、血圧が低くなったからだろう。
「病室戻ろうか」
「…うん」
「歩いて帰る?それとも、俺が運ぶ?」
ちょっと意地悪して聞いただけなのに、不機嫌そうな顔。
「…ッ、歩けるし!」
パッと体を起こした翔は、ベッドを降りて扉を開ける。
「…翔、昼ご飯全部食べたってな」
「だってオレ、病気じゃないもん」
「…そうだな」
「もうあそこ行かないから」
「…なんか嫌なことあった?」
「ないよ。全然ない」
「…遊んでたら気分悪くなった?」
「心臓うるさかっただけ」
「…そうか」
病室につくと、翔はすぐにベッドに入った。
「寝ていい?」
「いいよ。何かあったら…」
「ナースコールでしょ?」
「そう、わかってるね」
「わかってるよ」
布団の中に潜ってしまった翔を見て、部屋を出て行った。