数日後、翔が入院した。



検査だからと言って油断はできない。



「先生!あそこ行っていい?」


指さす先は、病院の中庭。


「ダメ。今日はここにいて」


「何で?オレ、大丈夫だよ」


「うん、知ってる。検査入院だもんな」


「検査まで!いいでしょ?」


「ダメ」


「…っちぇ。ケチ」


「こら、翔」


「なんだよ」


「先生にワガママ言わないの」





荷物を整理し終えた母親が呆れた顔で注意するけれど、本人は聞き流しているようだ。







「迷惑掛けると思いますがよろしくお願いします」


「いえいえ…、わかりました」


「翔、お母さん行くからね」


「早く帰っていいよ」


「……」



母親の呆れたような苦笑い。


素直じゃないな、なんて思ったけれど。




「…じゃあね」



そっぽを向いて呟く言葉に、母親もホッとしたように笑った。