「少し気分悪くなることあるだろうから、注意して見てやって?」


「わかった」








季蛍が退院したばかりで、夏来も言いたいことを素直に言えないのかもしれない。


甘えているように見えても、季蛍に要求をしたりはしない。


あまり無理をさせてはいけないと、わかっているのかもしれないな。


そうなら尚更、小さな変化に注意してあげたい。


寝顔を見ながら、そんなことを思った。










「少し待っててもらえる?呼び出しが掛かった」


「うん」


「点滴終わる頃に戻るよ」






そう言って奏太は部屋を出て行った。