髪を乾かしてリビングへ行くと、夏来の姿はもうなかった。
「寝たの…?」
「寝たよ。季蛍待ってたけど寝ちゃった」
「そっか、ありがと」
「夏来、楽しそうだったね」
「張り切ってたな。季蛍がいると嬉しそう」
「…あんな顔見たら頑張ろうって思うよね」
隣の部屋をそっと覗いて寝顔を確認し、思わず微笑みがこぼれる。
守りたくなる愛しい寝顔。
「頑張りたいならもう寝よう」
読んでいた仕事関係の書物を閉じると、蒼はそのまま寝室の扉を開ける。
「…もう?」
「もう」
「もうちょっといいでしょ…?」
「疲れてるんだから寝た方がいい」
「…小学生じゃないんだけど」
「病み上がりだろ」
「…どうしても?」
「俺も寝るから」
「…ほんと?」
「本当」
腕を引かれて寝室へ。
こうして2人でベッドに入るのは、何日ぶりかもわからない。