「昨日から今朝も発作続きで」
まだ薄暗い早朝、出勤してきた蒼と季蛍さんにばったり会った。
「季蛍さんの顔色が悪い」と指摘すれば、蒼は苦笑いを浮かべてそう言った。
「近々ちゃんと診てもらって薬出してもらう予定だったのに…高島の奴出張でいないんだもん」
「出張?」
「明日…明後日薬なしはキツいな」
「大丈夫…港くんに余計な心配かけないで」
季蛍さんは蒼の服を握って、そう言った。
「じゃあどうするんだよ、薬ないのに」
"今朝もしばらく治まらなかっただろ"
そう言って蒼は季蛍さんを睨む。
「もういい、その話」