「強いね、男の子だもんな」



目を擦りながら涙を堪えている様子を見ると、大きくなったと沁々思う。



「よし、お手伝いの続きしてこい」






そうやって背中を押すと、夏来は落としたお皿を拾いに行った。


拾うことが先だったね。


俺が片付けようと思っていたけど、自分で考えて行動も出来るんだな。





お皿がガラスでなかったことが不幸中の幸いだ。




「…パパ?」




悲しそうな目で、床に落としてしまった食べ物を見つめている。




「それはパパがやるから、お皿キッチンに持ってってくれる?」


「…わかった」