「…だって全然良くならない」



「だからって諦めたら入院」




「…やだ」




「わかった、もう忘れよう。高島にまた薬出してもらえばいい。それだけの話なんだから」



季蛍の腕を引いて、そのまま駐車場へ。



「季蛍が泣いてたら夏来だって心配する」




「夏来の喘息もわたし…」




季蛍の口から出る言葉を遮るように、そっと手を当てる。



「そういうのも言わない。…季蛍のせいじゃない」



「……」



「あんまり考えるな」