食事の時間はとっくに過ぎてしまい、陸くんがお盆を取りに来た。
「…ごめんね」
せっかく下げに来てくれたのに、まだほとんど減っていない。
「もう少し頑張りますか?」
「あとちょっと…いい?」
「じゃあ、待ってますね」
さっきと同じ優しい笑顔。
「これ、子供さんですか?」
陸くんが見つけたベッドサイドのイラストは、夏来が描いたたものだった。
「うん、もらったの」
「季蛍さんのことが大好きなんですね」
「…ふふ、こういうのは嬉しいよね」
そのイラストを見る度、思い出す温もり。
小さくて柔らかい手のひらと、素直な笑顔。
胸の中で抱きしめた時の温かさ。
頑張らなきゃ、そう思える一番の糧。


