「よし、入った」



点滴の固定を済ませた高島先生が、毛布を上まで上げてくれる。



「呼吸は落ち着いたな…。眠れそう?」


「…はい」





痛みが引けば、横たわるのも苦ではなくなる。






「何かあったら呼んでいいから」



高島先生が病室の電気を消して、陸くんと部屋を出て行った。








数時間後には、食事の時間がやってくる。


また食べられなくて、情けなくなって嫌になる。


私の大嫌いな時間。








朝の検温で熱が上がっていれば、面会すら許されない。





ゴールはどこにあるのだろう。