小さな手で目をこする夏来を抱き上げて、玄関を出る。



「…今日はお休みする?」



「する…」




「わかった。…じゃあ今日はおばあちゃんちでいい子にしててね」




「うん……する」




目に涙を溜めて、小さな手で俺の体に抱きついた夏来は


「パパといる……」



と、また泣き出してしまった。




「…うーん…でもお仕事に行かないと行けないでしょ?お風邪引いてる人が困っちゃうよ」



「……パパと」



「お仕事終わったら迎えに来てあげるから。ね?」