青白い季蛍さんの顔色が元に戻ることもなく、痛みと咳に耐える季蛍さんの背中を高島がゆっくりさすっている。
「ん゙ー…」
眉を寄せて唇をきゅっと結んだ季蛍さんの異変を、すぐに感じ取った高島の観察力。
気がついた高島が膿盆を手に取り、さり気なく季蛍さんに差し出す。
変わらず背中をずっとさすり続け、高島は何も言わない。
きっと
『我慢するな』
と言ったところで、季蛍さんが遠慮してしまうことは目に見えているからだと思う。
俺がいたら余計に…だよな。
「たか……せんせ…ッ」
顔を上げて囁いた季蛍さんが、突然俯いて体を震わせた。
手を止めることなくさすっている高島がこちらを向き、険しくて怖い顔。
「俺、レントゲンの件伝えてくるね」
ここにいても俺のすることは何もない。
むしろいれば、季蛍さんだって気に掛かるだろう。
「ありがとうございます」


