「高島、ちょっと来て」


「はい」







季蛍さんは反対側に顔を向けてしまい、俺は高島と座る場所を交換する。





「あぁ…、蕁麻疹」



どこか安心したような高島の声。



「言ってくれれば良かったのに」





拳で軽く額をつついた高島の手は、そのまま髪を撫でる手に変わる。



「怒るも何もないでしょう」





少し呆れたような高島だけれど、季蛍さんは顔を背けたまま反応しない。





肩が震えて咳を繰り返せば痛むようで、ベッドの上で体を丸める。




「…ッたい…」





表情を歪める季蛍さんの体をゆっくりと高島が起こし、壁に寄り掛からせる。