不思議に思っていたが、触診のために服を捲ってその理由がわかったような気がした。





「少し押すね?」


順番に軽く触診していくと、季蛍さんが体を捻って痛がる場所があった。



酷い痛みがあること、咳をすると激痛が走ること、痛む場所は大体把握出来た。







「…季蛍さん」


体をゆっくり起こした季蛍さんに声を掛けると、訴えるような目。



『言わないでほしい』


視線からは、そんな言葉が伝わってきそうだ。





服をまくった時、肌に現れた赤い蕁麻疹にはすぐに気がついた。


季蛍さんが高島を避ける理由…か。