「…ハァ」
周りが昼食を食べ始める中、視界を遮るようにパソコンの画面とにらめっこ。
「季蛍せんせーい!」
ここ何日か昼食の時間をこうして過ごす私を心配し、後輩が何かと手を打ってくれる。
「マフィンありますよ?」
頼んでないのに私の好物まで買ってきてくれて、また誘ってくれるけれど。
「…ごめん、いらない」
「…好きなのに?」
「ごめんね…、後で食べる」
「手伝いますか?」
「ううん、いいの。だいじょーぶ」
仕事が忙しくて昼休みを取れないと思った後輩が、気の利いた言葉を掛けてくれたけれど。
今は何も食べたくない。