「大丈夫?」 「ん」 落ち着きを取り戻した季蛍が、ゆっくり立ち上がる。 「ごめん」 「当直は?」 「高島先生が代われって。強制だって。」 リビングへ行く季蛍の後を追い、 『そっか』 それしか言えなかった。 高島が『強制』と言ってまで帰らせた理由は、それなりのものなのだろう。