しばらく経っても部屋に入ってこないことを不思議に思い、リビングを出る。
未だ玄関にいる様子だが、嫌な気配を感じた。
悲鳴に近い荒い呼吸が、ドア越しでも聞こえてくる。
ドアを開ければ案の定、玄関の扉に体を預け蹲っていた。
近寄れば俺を避けるように、体の向きを変えた。
「我慢しなくていい」
息を止めてしまう季蛍の背中をさすり、息を吐くよう促した。
自力で落ち着こうとしているのはわかるが、ここまで酷くなれば難しいものだと思う。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…