起床時からの違和感に体を起こすことが出来ず、ベッドに体を沈める。
「いつまで寝てんの」
寝室のドアから声を掛けられ、無理に上半身を起こした。
「も、昼…?」
「ギリ朝」
「ん、起きるけど…」
波を打つように痛む頭。
無意識に呻き声が出た。
熱く感じる喉の痛みのせいで、唾を飲み込むことさえできない。
奏太の手の甲が首元に触れたので、思わず避けるように身を捩らせた。
指で触られ、酷い痛みに声が漏れる。
「熱すぎ」
思わず手を払いそうになっても、腕が上がらない。
「起きないわけだ。熱測った?」
首を左右に振ると、寝室を出て行ってしまった。