季蛍の額に手を触れると、嫌そうに顔を背けた。
「熱はないな」
「ないよ、当然でしょ」
「…キレんなって」
「キレてないから!」
「ごめんね、今準備する!」
俺に向ける表情を一変させ、愛優に向かって季蛍は言う。
「喧嘩でもしたの…?」
「いや、覚えない」
「なんか機嫌悪いね」
愛優の苦笑いを見ていると、無意識にため息がこぼれた。
「誰が子どもかわかんないな」
「…ふふ、でも憎めないんでしょ?」
「…。」
顔色を青くしながらも、愛優はニヤニヤ楽しそうだ。
「おちょくるな」
「別におちょくってなんかないもん」


