車に戻ると、後部座席に2人が座っていた。





「季蛍の荷物」


「ありがと…」





荷物を受け取る季蛍の手は、ちょっと冷たい。








「手が痺れてきた…」




季蛍が自ら高島に告げると、高島が荷物の中から吸入を探してくれた。





「はい」



手際よく吸入の準備をしてくれる。






「高島このまま家まで送ればいい?」


「いいんですか?」


「いてくれると助かるんだけど」


「じゃあお願いします」


「季蛍は任せるね」


「はい」






後部座席のドアを閉めて、運転席へ回った。