「ご飯できたよ」
リビングにいた港が私を呼びに来てくれた。
「おいでよ」
「食べられそうにないんだけど…」
「いいよ、俺から伝えるから」
「せっかく作ってくれたのに悪いよ…?」
「大丈夫」
港がそう言って手招きをするので、結を抱えて港の後に続いた。
リビングのテーブルには、美味しそうな食事がいくつも並べられている。
「お粥なら食べられる?」
「…かも」
「作ってくるから待ってて」
「え、いいよ港…ッ」
「いいよって…陽食べるものないよ?」
「だって私のわがままだもん…ッ」
そう言えば港はちょっと笑って、
『待ってて』
とキッチンへ消えた。