季蛍の思い込みも少し激しいところがあるからな…なんて思いながら寝室のドアを開ける。



電気はついていなくて、ベッドサイドにはパソコンとペットボトル一本が置いてあった。



寝室の電気をつけると、ベッドに潜る季蛍の姿がわかる。


ベッドに腰を下ろして、ポンポンと体を叩いてみるけれど…。


反応はなく、ただ中でもぞもぞと動いているだけ。



「ただいま。…ご飯食べたの?」



「………」



「喘息落ち着いてる?高島も心配してたよ。明日仕事来る時に薬持ってくるの忘れないように言っといてくださいって」



「………」










「…夏来が喘息なのは季蛍のせいじゃないからな」



「…私のせいだもん」



布団の中からこもった声が聞こえる。




「何年間も一緒にいても俺は信用してもらえないのか?」



「…そんなこと言ってないもん」



「じゃあ"私のせい"だなんて言うな」



「もう…ほっといて」



「……」