それからは結にご飯を食べさせて、しばらくリビングで遊んだ。
時々陽の姿を探すように辺りを見回して泣きそうになるが、名前を呼べばにっこり笑う。
陽にどこか似た笑顔。
幼い手のひら。
柔らかい頬。
何でも口の中に入れるから、目が離せないし油断もできない。
陽は俺が帰らない日、こうして一人で一日中面倒を見ているんだ。
例え体調が悪くても、少し休憩したくても。
唯一任せられる人は、家にいない。
可愛い笑顔を見ていれば忘れるのかもしれないが、長い間一人で面倒を見ることは、簡単なことじゃないと改めて思う。
夜ほとんど家にいないくせに、分かりきったような無責任なことも言えないけれど。
だけどこんな笑顔を見ていると、
何があっても守りたい
そんな思いは強くなる。
「ゆーい?」
突然遊ぶのを止め、目がとろけたと思えば首がガクンと下がる。
「…ふふ」
眠たいのね。
可愛いなぁ…。