__「陽、荷物こーかんしよ」
店を出てからずっと申し訳なさそうな表情で、一言も話さない。
自ら重い方を持つと言って抱えている荷物も、そろそろ腕が限界でしょ?って言いたくなる。
素直に従う陽と荷物を交換すると、陽は表情を変えて言った。
「軽い…やさしい…」
"お金忘れちゃってごめんね…"
最後にそう付け加えてぴったりくっついてきた陽に、思わず笑みがこぼれる。
「怒ってないって言ってんでしょ」
「…でも浮かれたから」
久しぶりに2人での買い出し。
家を出る前、嬉しそうに支度をしていたのは俺だって見ていた。
「俺がお金持ってたんだから。買えたんだからいーの」
財布を忘れるって アニメじゃあるまいし、
なんて思いつつ、そんな陽も好き。


