__「季蛍先生早いですね」
看護師が部屋に入ってくると、驚いた様子で声を掛けてきた。
「うーん、準備あって」
「ちゃんと食べないと午後辛いですよ~」
そう言いながら若い看護師がくれたのは、手のひらに乗る丸いおにぎり2つ。
「午後も頑張りましょ♪」
「…ありがとう」
何も食べる気がしない今でも、これなら食べたいと思える。
「…自分で作ったの?」
「はい、お昼買う余裕ないので」
「いいの?私になんか」
「"なんか"じゃないですよ~。いつも昼食抜いてるみたいなんで、季蛍先生のために作ったんです」
「…本当に?」
「本当です」
「ありがとう…助かる」
「いえいえ」
テキパキ準備をする看護師に、また胸がじーんとした。


