「…ごちそうさまでした」
ゼリーを綺麗に完食した季蛍は、薬もすんなり飲み込んだ。
「少し寝たら?」
高島も季蛍の肌に触れて体温を確認すると、苦い表情を浮かべた。
「…じゃあ少し寝てきます」
毛布を抱えて席を立った季蛍は、高島の前までフラフラ歩いて立ち止まった。
「…なに?どした?」
不思議そうに季蛍を眺める高島に、季蛍は
「おやすみなさい」
と小さく呟いた。
「うん、おやすみ」
熱が高くて意識が朦朧としているのか、足元のフラつきが見ていて危なっかしい。
「わざわざ僕に"おやすみ"って」
不思議そうに笑う高島は、足元がおぼつかない季蛍を見届けていた。