__「季蛍、本当にさ。寝よう?あっちで」
一言も口を開かず丸まっていた季蛍の手は熱く、顔も火照っている。
それなのに未だ"寒い"と訴える季蛍には、『早く寝ろ』としか言えない。
「薬飲ませます?」
身動きを取らずじっとしている季蛍の様子を見ていた高島が、箸を止めて聞いてきた。
「うーん…」
季蛍の首筋に手を当てて体温を確認すると、ようやく季蛍が口を開いた。
「…飲みたい」
「薬飲む?」
「…飲む。ある…?」
「あるけど。何か食べたら?」
「あれ、食べたい」
季蛍が指さした先には、高島が食後に と持ってきてくれたフルーツゼリー。
「あぁ。もらっていい?」
「どーぞ。持ってきて良かった」


