車の助手席に座ると、新しく毛布を渡してくれた。
毛布2枚で体を覆うと、高島先生がココアの缶を開けてくれた。
「これ飲んで待ってて。5分で戻る」
「ん、はい」
本当は今日、家で私が食事を作る予定だった。
蒼と高島先生と、本当に偶然都合が合って家で食事を食べる予定だった。
なのに昨夜から体が怠くて、今日仕事を終えた時顔色は最悪だった。
結局仕事が少し長引く蒼は後で合流することになって、高島先生が家まで送ってくれる。
私の楽しみはいつも体調が邪魔をする。
私に付き合ってくれる人は、
蒼は、
高島先生は…
無意識にため息が出た。
寒気が止まらなくて、缶を持つ手が震えた。