「過呼吸になるなんて思わなくて…ごめんなさい」




落ち着いてから看護師さんに謝ると、優しく笑って首を横に振った。




「いやいや。謝る必要ないですよ」




優しい看護師さんに何度もお礼を伝えると、看護師さんは笑って言った。



「上野先生の特別な患者さん、ですね。」






看護師さんの言葉を聞いてか、



「そんなこというと身内は診るなって上から言われる」




不満そうに…でも冗談っぽく笑った港は、背中に手を回して軽く引き寄せてくれた。




「お疲れさま」




ギューには程遠い引き寄せだったけど、それを見ていた看護師さんが



「憧れますね、こういうの」



と言って、テレテレ笑っていた。




些細な会話も私にとっては嬉しくて、優しい看護師さんには感謝の気持ちでいっぱいになった。



……もちろん、港にも。