喉の麻酔を耐えたあと、スプレーの麻酔を追加された。
看護師さんが丁寧に説明しながら麻酔を行ってくれたおかげで、気分が悪くなることはなかった。
だけど緊張で体が硬直していて、看護師さんが何か声を掛けてきているけど、頭に入ってこない。
「体こっち」
港の声がしたけど、体は動かなくて…。
「陽 俺の方に体倒せる?」
「…ん」
看護師さんに補助されて、体を横に倒す。
港が私の目線と同じくらいまで腰を下ろして、気分は悪くないか と聞いてくれた。
「…大丈夫」
「少し点滴入れるね」
看護師さんに腕を軽く押さえられて、消毒をされた。
港の指が腕の内側を何度か撫でて、針先が触れたのがわかった。
目を瞑って痛みが来るのを待ったけど、既に終わって痛みはほとんどなかった。
看護師さんが「おぉ…」と小さく呟いたのが聞こえて、私もゆっくり目を開ける。
「眠たくなるけど怖くないから」
港の言葉に頷くと、看護師さんがタオルケットを掛け直してくれた。


