「そろそろ誰かに助けてもらう前に自分でどうにかしないとね」



「だっ…て」



「言い訳しない」



「……はい」  




しゅんと身を小さくした季蛍は、吸入を終えてため息をつく。



「夏来くんも喘息出てるんだって?」



「…何でそれを」



「蒼先生に聞いた。病院に連れてきたって」



「…私が喘息持ってなければ夏来も多分…喘息なんかなかったと思いますけど」



「……」



「体育見学とか…学校お休みするとか…夏来にも大変な思いさせちゃってるし…」



そう言いながらもっと身を小さくする。




「…いいよ、もう帰って。帰ったらちゃんと薬飲んで」



「…わかってます」



夏来くんに対しての季蛍の思いには、何も掛ける言葉が見つからなかった。