「はるー?ただいま」 家の中に入ると、息をするのも苦しいくらいの暑さ。 リビングまで移動しただけで、汗が浮かぶ。 何があった…? ワイシャツのボタンを外して扇ぎながら、寝室の扉を開ける。 「ただいま。大丈夫?」 「港…」 か細い声が聞こえて電気をつけると、布団にくるまっていた。 「今何時…?」 「今…は8時20分」 「ごめん…ご飯作ろうと思ってたの」 …その体で? 「いーよ、そんなの」 「……ごめん」