数回痛みに耐えながら口を濯いで、港が持ってきてくれたタオルで顔を拭いた。
リビングに戻れば、港は仕事に行く準備をしている。
「陽、これ」
小さなゼリーを渡されて受け取ると、薬も一緒に渡された。
「滲みて何も飲めない…。」
あまりの痛さに正直に告げると、港は準備の手を止めた。
「見せて」
港の手が頬に添えられて、口を開けるよう促される。
自分で言っておいて見せるのは恥ずかしくて、躊躇いながらも小さく開けた。
親指を掛けられて大きく開かされると、ちょっと恥ずかしくて目を瞑る。
「よく食事できたな。痛かっただろ?…大分酷い」
「…。」