少しして戻って来た港の首には、聴診器が掛けられている。
手には小さなゼリーと、薬の箱が握られていた。
「もういいの?」
洗面器に手を掛けて聞いてきた港に頷くと、港はさっき座っていた場所に腰を下ろした。
いつもとはちょっと違った雰囲気に、心臓の鼓動が早くなっていく。
「喘息の確認だけするから」
この胸の違和感は喘息なんだ…
港に言われて初めて自覚する。
どうして気がつくのだろう。
港に叶うことなんて何もない。
ぼーっといろんなことを考えていたら、「おーい」って声を掛けられた。
「開けるよー?」
パジャマのボタンが器用に外されていく。
「キツかったら吸入して寝てもいいから」
答えるのもやっとでなんとか頷くと、港はベッドに腰を下ろした。
「…手入れていい?」
無意識にはだけたパジャマを握っていて、港は苦笑いでその手をそっと掴んでくる。
「…めん」
咄嗟に手を離せば、僅かな隙間から手が入れられた。


