「…怒られる」
 


吸入を終えた季蛍は、嫌そうな表情を浮かべてため息をついた。



「…自分が悪い」




「…だって薬持ってたと思ってたから」 




「でもなかったんだろ?思ってただけじゃだめなんだから」




「……」   




「蒼先生、電話の向こうでどうやらお怒りのようだったから」




「…や、やだ」



「だって吸入持ってないなんて…蒼先生も俺も想定外」




「………」