少しして戻ってきた港の手には、ビニール袋の掛かった洗面器があった。 「置いとくね。…お粥下げちゃうよ?」 頷けばホットタオルを渡してくれて、その優しさに止まりかけていた涙が溢れ出す。 「苦しかったね」 涙でぐちゃぐちゃになった顔も見られたくなくて、覗き込んでくる港から顔を背けた。 「薬持ってくる。…何か欲しいのある?」 「…らない」 「わかった。待ってて」