お皿をトレーに置く音がして、気付かれた… そう思って力が抜けた。
座って食事をしていた港も、立ち上がってビニール袋を広げ出す。
もうこのまま楽になりたい
一瞬そんな思いも横切ったけど、どうしても耐えたい思いの方が強かった。
「いいよ、我慢しなくて」
優しい声に余計申し訳なくなって、静かに首を横に振る。
「いやいや、"いい"じゃなくて。我慢しない」
それでも唇を噛み締めるそんな私を見兼ねてか、促すように背中をさすってくれるけど。
それが引き金になって、耐え切れなくなった。
せめてビニール袋は自分で持とうと、空中を左手がさ迷うけど、冷えていて指先が言うことを聞かない。
港が広げてくれているビニール袋に、結局耐えきれず吐き出した。
ずっと耐えていたせいか、呼吸もやけに荒い。
結局我慢できなかった…。
こんな姿が情けなくて もう顔も上げられない。
止まらない吐き気に苦しみながら、溢れてくる涙を我慢することもできなかった。


